概要――またの名を要約と言う――の書き方はいたって単純だ。文章の要約は、学校で習ってたと思うが、要するに文章の肝要(肝心で重要)な部分を抜き取って、3~4つの文にまとめ1つの段落としたものである。分量については、文章のサイズによって前後する。
概要がどこに位置するかと言うと、タイトルと本文の間である。文章の体裁によるが、リードや1段落目に相当する。はじめにタイトルがあって、タイトルを膨らませたものが概要になる。その概要の1文をさらに段落に発展させていくと文章ができあがる。
逆の場合もある。最初に文章を書き上げ、文章の頭の方に戻って要点を概要として挿入し、それを精選してタイトルを付ける。
もちろん、タイトル→概要→本文と一方的に書き砕いていけるわけではない。筆力が並外れていれば別だが、大抵の人はその3つのフェーズを行ったり来たりして完成へと近づけていく。それは大変な手間のかかる作業であり、簡単な文章や時間やコストを掛けられない文章は、さっと書き上げてしまうことも多い。つまり完成度はそれほど高められていないが、多少概要に粗があったとしても、問題になることはあまりないため振り返らない。
とはいえ、ある程度書き続けていれば、自然と筆力が上がり、概要の完成度も高まっているはずだ。