文章の締め方には大きく分けて2つある。1つは開いたまま終わる、もう1つは閉じて終わる。
これは締めの文章や段落を書かずに終わる形だ。最初に概要があり、それをブレイクダウン(噛み砕く)した段落が一通り続いて終わる。例えばニュースやマニュアル、簡単な文章はこの形式になる。文章の展開がある程度固定化されていて、改めて閉める必要が無いためだ。
これは最後に文章や段落で締める形だ。最初に概要があり、それをブレイクダウン(噛み砕く)した段落が一通り続き、最後に概要あるいはメインテーマを繰り返す。もう一度繰り返すことで主張を印象付ける。こうした技法は、音楽や物語などで昔から使われてきた。小論文を始めとしたさまざまな文章で広く使われている。
卑近な例で言うと、謝罪文は、最初に謝罪し、経緯を詳らかに述べ、最後にまた改めて謝罪を繰り返す、こうした構成になっている。
さて、どう繰り返すかが問題だろう。
いつも通り、読者を想定しメインの主張を繰り返すだけだ。そしてその主張は、最初の概要部分で十二分に吟味されているはず、されていなければならない。であれば、そのまま繰り返すだけでも役割を果たし得る。
一方で、執筆の過程で主張を深めてきたのであれば、そうした味付けをするのも良い。主張がまったく異なってしまったのであれば、文章の構成や最初の主調が誤っていた可能性があるため、手直しする必要があるだろう。
開いたまま終わるのか、閉じて終わるのか、文章の用途に応じて使い分けよう。と閉じて終わってみた。