エクセルを文書作成に用いるべきでない理由は、単にエクセルが複雑で難しいからである。
エクセルに自信あり! などと思い上がっている方もいるが、そういう人こそが問題の源泉になってしまっている。
先に何を使うべきかについて話しておくと、答えはワードである。諦めて妥協してワードを使え! というのがメッセージだ。
あなたが技術者である、あるいはその助けがあるなら、Markdownを拡張して表を扱えるようにしたものもオススメである。
エクセルはスプレッドシートであり、数字をまとめるいろいろな機能があるが、文章作成向けではない。例えばワードなら項番を自動で挿入できるが、エクセルは手作業なので面倒だ。またエクセルで文書作成するとき、方眼紙化する人も多いと思う。その場合に、行頭をどう揃えるか、エクセルを使いたい人たちの間でさえ一つに定まっていない。1マスずらすか、全角スペースを開けるか、人によって異なる。それどころか、その人の中でもケースによって使い分けがあったりする。
するとどうなるか? エクセルはできることが多いことで、ユーザーのアウトプットが乱れてしまうのだ。アウトプットが乱れると、あとから編集や改定するときに、たいへん具合が悪い。
簡単なところで言うと、改行を手作業で行う必要があるため面倒だ。また、方眼紙になっていると、HomeやEndキーで移動できるにしてもマウスだと行頭がどこなのかわかりにくい。体裁を整えるために方眼紙を利用して行の中ほどにテキストが配置されていると、コピペするときに気を使う必要がある。
とにかく面倒で、メンテナンスにコストがかかるわけ。
昨今の文書は、書捨てではなく、再利用するケースが多くなってきている。であればメンテナンスにコストが掛かるのは避けたい。だからワードやMarkdown等を使い、書き手の自由度を狭めるのがよい。それによってアウトプットの乱れを減らし、メンテナンスコストを抑えれるからだ。
もちろんワードやMarkdownでは、エクセルでできたことが、できないこともあるだろう。それを我慢し、あるいは妥協することで、適度な落とし所にまとめる。それが仕事で書くってことさ、などと嘯いてみたり。
自分一人で書くならもちろん何を使ってもいいし、どう書いてもいい。そしてしっかりと維持管理できるのであれば、読み手にも受け入れられるだろう。