安全な用語を採る

書いている最中、どの言葉を使うか迷った場合にどうするか?

読み手と環境を想定し、誤読の起きにくい安全な言葉を採用する。

具体的に見てみよう。

例えば書類を書いてもらいたいとしよう。

エクセルファイルを渡して、「この書類に入力して提出してください」と言った。

さて、相手の提出物(アウトプット)は何になるだろう、想像してみてください。

この問には2つの問題がある。1つ目は手書きかデータ入力かだ。2つ目はデータか紙のどちらで提出するか曖昧なことだ。

例えば知性が高い相手は、「入力」からデータに書き込めば良いことを理解し、ついで提出方法について疑問を持つだろう。データのままで大丈夫なのか、あるいは紙に印刷して欲しいのか、聞いてくるはずだ。

エクセルファイルを渡して、「この書類に記入して提出してください」と言った。

ではこのパターンはどうだろう? 「記入」は所定の用紙の欄に書き入れることを意味し、一般的に手書きで行われる。

しかしITに強くない若者などは、記入をどう捉えるだろうか。今回のケースではエクセルファイルを渡されたため、「これに書き込めばいいのかな?」などと思い込む可能性がある。また、印刷するかどうかは現場の普段のやり方によるだろう。お硬い現場では、今でも印刷して手書きするケースがある。

このように周囲の状況・環境により解釈が変わる書き方は駄目だ。欲しいアウトプットにより、以下のように誤解の生じない言い回しにすべきだ。

このように、読み手と環境を想定したうえで言葉を選択すると、誤読が起こりにくく安全だ。