====== 助詞"は"の使い方 ====== ===== "は"は文の話題の主を示す ===== 大雑把に言うと、助詞の「は」は、文の話題の主体をマーキングしている。これを、日本語教育においてトピックマーカーという。 実例で軽く説明する。 > 佐藤さんは運動が得意だ。 このケースでは佐藤さんが主語かつ話題の主体だ。書き手は、佐藤さんの話をしている。 > バイオリンは伊藤くんが弾きます。 このケースでは伊藤くんが主語で、バイオリンは話題の主体であり目的語である。バイオリンを誰が弾くかの話をしている。 つまり主語と話題の主体はイコールではない。逆に言うと、文章の中から話題の主体を取り出して強調するのが「は」なわけ。 だから、何を話題の主体にするか、意識的に選択しなければならない。上の文は例えば以下の形も有り得る。 > 伊藤くんがバイオリンを弾きます。 > 伊藤くんはバイオリンを弾きます。 > バイオリンを弾くのは伊藤くんです。 書き手には多くの選択肢がある。その中から文脈や読み手、書きたい事を考慮して選択する。 ちなみに、一文一意、すなわち「ひとつの文でひとつの話をする」という原則がある。これに基づくと、1文には「は」が1回しか出てこない。 意図せず複数の文を繋げた複文を書いてしまい、「は」が2度出てくることが稀にあるので気をつけたい。 参考:[[http://www.nkc.u-tokyo.ac.jp/study_info/study_info01_04_j.html]]